愛に溢れた、ちょっと皮肉を込めた映画。
こんなユーモアのある作品って好きだ。
作品の系統としては一緒に借りた『きょうのできごと』(ASIN:B0002ESL32)や、『ナイト・オン・ザ・プラネット』(ASIN:B00005GRI1)と似た感じだ。
物語は空港の到着ゲートをキーポイントにして色んな人たちの色んな愛の形を描いている。
結婚したばかりの美しい花嫁に複雑な思いを抱く花婿の親友、2年と7ヶ月と3日片思いをしている女性と2年と7ヶ月と3日思われている男性、配膳係の女性に一目惚れしてしまった大統領、部下の積極的なモーションにとまどう男と夫の浮気に動揺を隠せない妻、弟に恋人を取られたミステリー作家とそんな彼のお世話をすることになったポルトガル人の女性、最愛の妻を亡くした男と初めての恋に悩む男の義理の息子、今は落ちぶれた老いぼれロック・スターと売り込みに必死なマネージャー、アメリカに行けば恋人ができると信じているもてない男、世間話をしながら映画の濃厚なラブ・シーンを演じる役者二人…。
様々な愛とその顛末。そして最後への集約。
何かが起こりそうで何も起こらない。
こんな平凡だけどでもそんななんでもない日常の中に溢れる愛。
あまり評価は高くないみたいだけれど、けっこう好きな映画だ。
観た後、少しだけ幸せな気持ちになれた。



きょうのできごと スペシャル・エディション [DVD]

きょうのできごと スペシャル・エディション [DVD]

めちゃくちゃタイプな映画。
舞台は関西。
京都の大学院に合格した正道くんのお祝いに集まる友人たち。同じ日のそれぞれの思いと物語を断片的に切り取ったオムニバス形式の映画。
中沢くん、中沢くんの彼女の真紀ちゃん、中沢くんの幼馴染みで真紀ちゃんの親友のけいとの三人は車で京都の正道くんの家を目指す。その車中での会話を中心とした物語。
三人が着くと、正道くんの家には西山くんと坂本くん、そしてけいとが熱望したかっこいい“かわち”くんが来ている。そこから始まる物語。
宴会もお開きになり、彼女のちよからの携帯に声を荒げるかわちくん。そして思い出すその日の午後の出来事。
そして、物語は最後のエピソードを迎える。静かな、言葉のないラスト。

真紀ちゃん役の田中麗奈の話すゆるりとした関西なまりがすごく色っぽくってかわいかった。
かわちくんの彼女のちよ(池脇千鶴)の怒り方がすごくかわいかった。本当に何もない日常の風景。
でも学生時代の懐かしい空気感とかが出てて、すごく良かった。
あんまり目立たなかったけれど、坂本くん役の人がすごくかっこよかった。芸人らしいけど…。
眼鏡が素敵です。
あと、この作品は編み物をする人間にはけっこう気になる編み物がいっぱい出ていた。
真紀ちゃんの巻いてるパープル系のミックス調の超極太毛糸のざくざくマフラーとか、けいとの巻いてるラスタ・カラーのロング・マフラーとかすごくかわいかった。
特に気になったのが、かわちくんの彼女のちよのファッション。
最初の動物園で被ってた毛糸の帽子とネット編みのオレンジのマフラーがかわいかった。
最後に付けてたベージュの透かし編みのマフラーもかわいかった。
写真集買って研究しようかな。
DVD欲しい。
それにしても、同じ時期に公開された『ジョゼと虎と魚たち』と出演者が少しカブってる。
あっちは妻夫木くんと池脇千鶴が主役。上野樹里がけっこうこわいけどかわいかった。あれが本当のかわいい普通の女の子なんだよな。かわいいけどずるくて、いじわるで、でも弱くて…。
またジョゼ観たくなってきた。あれもDVDが欲しいな…。