ジョゼと虎と魚たち 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD]

ジョゼと虎と魚たち 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD]

友だちと一緒に見るはずだったけれど、どうしても観たくなり、GEOでレンタル半額セールをしていたので借りてしまった。
久々にいい映画に出会った。
最近、外国モノより邦画に惹かれていて、やはり細かな心理描写とかがすごく心の芯に伝わってくるので邦画ばかりを観ている。
そんな邦画の中でもすごくリアルで、切なくて、痛い話だった。
何事も深く考えず、感情に正直に生きるちょっとエッチな恒夫と乳母車に乗った足の不自由なジョゼ(くみ子)が出会い、惹かれ合い、別れる物語。
ジョゼはぶっきらぼうで暴力的で、おばあさんをそのまま見た目少女にしただけのようだけれど、本当はすごく淋しくて、傷ついている。そんなジョゼに恒夫は素直に惹かれていく。
ジョゼの言葉がいちいち切なくて、痛い。
「うち、あんたのことが好きや…」
池脇千鶴の関西弁がかわいくて良かった。
とってもかわいくて、でも強くて、奔放で。
それに比べて恒夫は優しくさわやかだけれどその裏にあるいい加減さと情けなさが目立つ。
最後の別れもまた、仕方がなかったのかもしれない。
二人はただその時の感情に素直に従っただけ。
その先がどうなるのか、その時は誰にも分からない。
端から見たらジョゼの幸せとは言えないけれど穏やかだった生活を、恒夫が掻き乱しただけのような気がするけれど、でも出会ってしまったのだから仕方がない。
映画の冒頭と、時々挿入される佐内正史の写真が印象的で美しかった。
それにしても池脇千鶴、演技がうまい。
妻夫木くんの優しいのだけれど情けない感じも。
ジョゼの
「帰れと言って帰るヤツは帰れ」
という言葉に泣いてしまった。
泣きのポイントがどこにかくれているかわからないものだ。
1週間レンタルになったらまたゆっくり観たいと思う。
と言うわけですぐにサントラもレンタル。
いいな、くるり

ジョゼと虎と魚たち(Oirginal Sound Track)

ジョゼと虎と魚たち(Oirginal Sound Track)