母の担当医に呼び出され、父と二人病院へ。
昨日の電話では深刻な話ではないですよ。と言っていたけれど、実際、とても深刻な話だった。
熱はガンの腫瘍から来る腫瘍熱と、新たに発祥した膠原病(SLEとか言ってた)から来る熱と、膀胱炎からの感染症が原因だった。
特にひどいのがガン。
もうこれ以上の治療はキツイだけで何の効果もないと言われた。
抗ガン剤も効かないし、胸膜にガンが転移しているのでもう全てをとりきることは出来ないし、例えとることが出来たとしても前回の二の舞、すぐにガンは再発すると言われた。
実際、3年前の外科的手術のあと、速攻で再発したし、その後にやった抗ガン剤も全く効かなかった。
今年に入って突然大きくなったらしく、しかも少しと言っていたけれどCTを見たらかなり大きくなっていた。
本人に告知するかどうかを迫られ、答えられず取り敢えず今日は延期した。
演技するのは大変だ。
母にはガンがどれほど大きくなっているかは告げず、さらりと少し大きくなっていると伝えた。
2年前に言われた「5年は生きられる」という言葉が重くのし掛かってきた。
父もひどい。
考えることを放棄して私に告知するべきかどうか聞いてくる。
私にだって決められない。こんな大事なこと。
告げずに熱がおさまるのを待つのか、告知して残された僅かな日々を充実したモノにしてあげるべきなのか…。
今は何も考えられない。
自分の問題だけでも精一杯なのに、人の人生まで背負い込むなんて、まだ自分一人の足で立っていない私には無理な話だ。
15年前、祖母が癌で死んだ時、母は同じような選択を迫られたのだろうか?
祖母は自分が癌だと知ることなく死んだ。でも多分気付いていたのだろうけど…。
今日、母は気付いただろうか。
病院の請求書や飲んでいる薬から自分の病気を読み解く人だからそれはわからない。