puzzle
恩田陸
ISBN:4396328095

冒頭、『さまよえるオランダ人』からはじまる不思議なミステリー。
二人の検事の攻防と謎の死体の死因、どれもがすごく引きつけられるミステリーだったのだけれど、やはりというか、なんというか…。
あんなに無理矢理結末に持って行かなくてもいいのにというのが正直な感想です。
あの謎の死体の死因は必要なかったのではないだろうか…。
謎は謎のまま終わってしまえば、ただのミステリーとしておもしろい作品だったのに…。
なんとも残念な作品でした。
『MAZE』(ISBN:4575509086)のどうしようもない無理矢理な終わり方を思い出してしまった。
こうやって何度も裏切られながらも、やっぱり恩田陸の作品を読み続けていくのだと思う。会話だけで事件を解決していく方法、心理戦、かけひきがすごく好きなので。
ライオンハート』(ISBN:4101234159)や『光の帝国−常野物語』(ISBN:4087472426)のような分類的にはファンタジーに含まれるような作品をまた読みたい。今回の作品に懲りて、恩田さんのミステリーはしばらく休憩していたい。