金木犀の香る頃

久々に更新する。
すごく、すごく、大変な日々だった。
9月25日、日曜日、母は細菌等の感染による肺炎から、肺の機能が低下し、突如呼吸不全になり、人工呼吸器を付け、そのまま意識は徐々に朦朧となっていった。
家族全員で付きっきりで看病して、呼びかけ続けたけれど、徐々に自力呼吸はできなくなり、血圧も下がっていった。
そして9月30日、金曜日、午後6時30分、母は永眠した。
それまで力強く脈打っていた心臓は、ふっと、一瞬で止まってしまった。
54歳だった。
10月1日に通夜、2日に葬儀を終え、小さな骨壺に納められて、母は家に戻ってきた。
祖母に続き母までも、金木犀の香る季節に失ってしまった。
金木犀の香る頃になるたびに、二人のことを思い出すのだろう。
この香りを香るたびに、私は二人の思い出を脳裏に浮かべ、涙を流すだろう。
今はただ、母と最期に交わした約束を果たすことだけが、哀しみに泣き崩れてしまいそうな私を奮い立たせ、突き動かしている。
仕事をちゃんと続けること。
結婚してもしなくても、必ず自分が幸せになること。
母のために仕事を辞め、母のために結婚を諦めた私を、母は哀しく思っていた。
母の死期をなんとなく予感して、慌てて9月に就職した。
結婚は、自分一人ではどうにもできないことだけれど、それでも大切な人ができたことは母に伝えた。
だから後悔はない。
あとは母との約束を守り続けることだけ。
心配なのは父のこと。
私が結婚して家を出たら、父は一人この家に残ることになる。
妹も結婚を控えて出ていき、弟はあと三年は県外の大学に在学。こっちに帰ってくるかもわからない。仕事がないから。
やっぱり結婚できそうにないな。
そんな理由で結婚を諦めたら、また母に叱られそうだけれど。
私なりの幸せの道を探して示さなければならない。
みんなが見守ってくれているから、がんばっていける。がんばろう。